福岡市議会議員 公式サイト

福岡市は2000余年、大陸との交流の中で新しいことにチャレンジして、歴史を築いてきたまちです。商人のまち、港町としての歴史を通じ、さまざまな人と物の交流の中で、おもてなしの心と進取の気象にあふれる市民気質が形成されました。そのような土台もあり、近年ではアジアからの留学生や旅行者も多く、九州・アジアのゲートウェイ都市としての地位を確立しています。
しかし、現在日本は人口減少・少子高齢・成熟社会を迎え、介護や年金、雇用の不安など、「今日よりも良い明日」が見えにくいという閉塞感が蔓延しています。今、福岡から、日本の閉塞感を払拭するために必要なのは、一人ひとりの不安を解消し、チャレンジする気持ちを呼び起こし、すべての人が活躍できる場を整えることです。
民主・市民クラブは「人が主役のまち、福岡」を合言葉に、福岡市において「すべての市民がすべての人に対する心遣いを持ち、参画し、行動できるまち」「福岡・釜山という国境を越えた大都市圏を形成し、創造的な人材が価値を生み出すまち」というビジョンの実現を目指します。

福岡市に関わる全ての人が主役となるためには、3つの考え方が重要となります。
第1に、「人材力をエンジンにする」ということです。さまざまな課題の解決に向け、若者、女性、留学生、高齢者などの様々な潜在力を引き出します。第2に、「多様な価値観で考える」ということです。生活の基本単位である都市圏を基本にしつつも、グローバルに考え、世界の多様な文化を尊重し、多様な価値観で考えることを基本とします。第3に、「広い視野で共働する」ということです。市民が個々の課題に取り組みながらも、ひとつの考えに固執しない広い視野でまちのあり方を議論することで、価値観やビジョンを共有し、新しい時代をともに切り開いていきます。

このような考え方に基づき、ビジョンの実現に向けて3つの戦略を実行します。
地域主権戦略「福岡市民が自ら発言し、議論し、決定する」では、官からの依存と分配による政治から脱却し、制度改革の原点となる「市民起点(シティズン・オリエンテッド)」を確立するために、「福岡市版・地域主権改革プログラム」によって市民自治・行政改革・議会改革を実行し、「市民の創造による政治」の実現を目指します。
生活保障戦略「ひとり一人の命と幸せを大切にする社会」では、家庭や地域の絆を大切にした生活保障を行うことで、乳幼児期から人生の終焉まで支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会の実現を目指します。
成長戦略「新アジア時代の成長プラットホームシティ・福岡」では、福岡市の人材力とともに、アジアと近い地政学的な優位性、アジア施策で培ったネットワークを活かし、世界に貢献する東アジアの一大海洋経済文化交流圏を形成することで、本市のみならず日本の成長を牽引します。

地域主権戦略
〜福岡市民が自ら発言し、議論し、決定する〜

福岡市が「自立と創造」に向けて一歩踏み出すために。
「福岡市民が自ら発言し、議論し、決定する」政治を実現するためのプログラム。
それが福岡市における「地域主権改革」の考え方です。

市政の運営は、私たちが出した税金によって賄われています。その税金の使い方は、予算によって組立てられています。ところが、この予算の決め方はきわめて行政主導で、市民が「自分たちの要望を発言し、議論し、決定した」という参加意識を抱けていないのが実態ではないでしょうか。

また、その行政には、今だに「市民は寄らしむべし、知らしむべからず」という風潮が残っているようにも思えます。たとえば、予算作成に関しては、市民の目からは見えにくい独特の判断基準にもとづき、行政の内部で「予算配分」や「事業の箇所付け」が行なわれています。

私たちは、この現状を直視しながら、官からの「依存と分配の政治」から、市民の「自立と創造」による政治へと転換することを表明します。福岡市民一人ひとりが幸せを感じられるような「生活保障」を実現するためには、福岡市の「確かな成長」が必要です。これまで政治の場に届けられなかった市民の声をすくい上げ、眠ったままになっている市民の力を引き出し、社会イノベーションを惹き起こすためには、民主主義の新たな展開が必要です。

福岡市民が自ら発言し、議論し、福岡市の将来に関わること(政策)を決定する。

私たちは、このような政治環境を作り上げることをミッションとして掲げ、同時にこのような「市民起点(シティズン・オリエンテッド)」こそ、あらゆる制度改革(土台づくり)の原点であると確信しています。そして、そのような市民の活動を支えるために必要な市議会改革の内容、必要な行政改革の内容を、「福岡市版・地域主権改革プログラム」として市民の皆様に提案します。

<3つの改革プログラム>

1.市民自治改革

暮らしの中で、だれもが「生きがい」や「つながり」を感じられる社会へ。
市民がともに公共を担う、「新しい市民自治」を創造します。
私たちは、古くからあるよき自治力を「新しい市民自治」として提案し、だれもが「生きがい」や「つながり」を実感できる社会を実現します。

地域住民やNPO、外国人なども含めた諸団体を「新しい公共」を担うパートナーとして捉えたうえで、各団体の相互理解を促し、市民の自発的な活動をサポートする環境をつくるために、以下の点に取り組みます。

○市民が直接市政に参画する仕組み(制度)を整備します。
○「新しい公共」を担う地域住民の自発的な自治活動をサポートします。
○市民の多様な声を集め、認め合う環境づくりに取り組みます。
○地域にすむ様々な人々の意見が市政に反映される制度を構築します。

【具体的施策】

1.経済、労働、NPOなどの団体ごとに団体代表者委員会(仮称:行政との公開協議機関)を設置し、団体意見を市政に直接反映できるようにします。
2.各行政区に地域代表者委員会(仮称:行政との公開協議機関)を設置し、地域の意見を市政に直接反映できるようにします。
3.「住民自治支援基本条例」を制定し、市民生活を地域で支える自治会・町内会活動を全面支援しま。
4.校区住民に対してキメ細かい行政サービスを提供するために、公民館の行政地域拠点化をすすめ、公民館へのマンパワー配置のあり方を検討します。

2.行政改革

福岡市役所を、真に「市民の役に立つ所」と変えるために。
徹底した行政改革を通じて、市民に求められる最適サービスを提供します。
市民が望む最適サービスを提供することは行政の大きな役割ですが、この「最適」の意味を行政だけが考えるのではなく、「市民自らが考え納得する」ことが非常に重要であると考えます。そのような市民の営みをサポートすることこそが行政の使命である、このような行政組織の意識転換が必要です。そのための情報提供のあり方、様々な意見があるなかで大多数が納得いく方向へ纏め上げるための議員活動との連携等を通じて効率的な行政運営を目指します。

具体的には、市民参加を前提とした「福岡市行政刷新会議(仮称)」を設置し、以下の視点から議論を行なうことを通じて、住民と協働して最適なサービスを生み出せる行政府を実現します。

○市民との協働を前提として、市役所のあり方を抜本的に見直します。
○福岡市が出資する外郭団体の経営状況をガラス張りにし、不必要な天下りを根絶します。
○無駄な事業を徹底的に削減するとともに、「お役所仕事」をなくします。
○地域や団体、民間企業が「新しい公共」を担うために必要な制度改革を実施します。

【具体的施策】

5.「福岡市行政刷新会議(仮称)」を議会主導で設置し、福岡市の一般会計、特別会計、企業会計の全事業(約3,000事業)を見直します。会議メンバーは民間・有識者・公募で選ばれた市民で構成し、議論の結果を市長に提言します。【重点】
6.より地域住民に密着した行政サービスを提供することを念頭に、「本庁−区役所−地域拠点」の業務分担を見直し、区役所機能を見直します。
7.公共の新たな役割を踏まえ、従来の市役所業務のうち地域住民団体やNPO団体、企業が担える業務は大胆に移管します
8.外郭団体への天下り批判に対応するため、厳格な基準(採用基準、またその給与体系)をつくり、天下りを根絶します
9.毎年度の事業仕分けの結果を、「福岡市事業カルテ」として公開します。
10.行政機関の外部資源を活用するために、民間人材や任期付き職員の任用・雇用を拡大します。
11.新たな公共のあり方を踏まえ、福岡市の条例や規則を全面的に見直す「規制仕分け」を実施し、地域住民団体やNPO団体、企業の活力を引き出します。

3.議会改革

未来の話を一緒にしませんか?
市民の負託に応える福岡市議会に生まれ変わります。
本来、「市民の声が政策に反映される」ために最も頼りになる存在が、市民より選出され負託を受けて活動している個々の議員であり、その総体が市議会です。私たちは、「地域主権改革」を担う重要な一員として、市民起点(シティズン・オリエンテッド)に立った新しい政治環境を作り上げることを最大のミッションとして掲げ、以下の視点から改革に取り組みます。

そして、市民と一緒に地域の将来を議論し、政策のかたちで提案し、さらに市民に対する説明責任をしっかり果たすことのできる「働く議会」を実現します。

  • 議会のあり方や責任を、住民参加のもとで明確に位置付けます。
  • 議会の活動量を大幅に増やし、市民に対する説明責任を果たせる議会をつくります。
  • 議会活動の成果が、市民生活を向上させるものだと実感してもらうための情報発信を強化します。
  • 市民にとって議会を身近に感じてもらうために、市民が議会とかかわりを持つ機会を増やします。
【具体的施策】

12.議会基本条例を制定し、市民に対して福岡市議会の決意を示します。
13通年議会を開催し、議会での政策立案・審議の時間を増やします。また、議会活動の状況を定期的に伝えるために「こんにちは、議会です!(出張議会)」や「議会報告会」を地域伝開催します。【重点】
14.定期的に議会報告会を開催し、議会での活動を市民のみなさんに伝えます。
15.議会の附属機関として議会改革諮問会議(仮称)を設置し、議会(議員)の役割や議員定数、議員報酬の在り方を抜本的に見直します。
16.市民への負託に応える議会を実現するため、議会事務局に対して適正な予算配分を行ないます。

生活保障戦略
〜ひとり一人の命と幸せを大切にする社会〜

<基本理念『ひとり一人の命と幸せを大切にする社会』>

人は誰しも独りでは生きていけません。生まれ育ち、老いや死をむかえる時期には人々の支えがなくては生命さえも危うくなります。そして、人生で誰もが遭遇する悩みに挫け、倒れたときに、寄り添ってくれる人がいるからこそ、人は再び立ち上がれるのです。このような人間の一生をライフステージごとに考察し、『一人ひとりの人生の幸福な時間を最大化』するのが私たちの目的です。

人には、様々な苦難に遭遇したときに傍で支えてくれる家族や知人が必要です。日本社会は、かつて、家族や地域社会、企業による支えがそうした機能を担ってきました。それが急速に失われる中で、社会的排除や格差が増大しています。密室の壁の中で子育てに悩む母親、不安定な雇用環境の中で将来に希望を抱けない若者、地域との関係が断ち切られた一人暮らしの高齢者など、老若男女を問わず「孤立化」する人々が急増しています。従来のしがらみからの解放は、強者にとっては自由を拡大するものかもしれませんが、弱い立場の人にとっては、無垢な幼い命を奪われる虐待、社会に対するテロともいえる無差別殺人に象徴されるような自暴自棄、あるいは孤独死という形で大切な人生を終えてしまう恐れがあります。

そこで、私たちは、乳幼児期から人生の終焉までの間、支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会『ひとり一人の命を大切にする社会』の実現を目指します。しかし、それは財源的に不可能な、あるいは単純な施設拡大路線や福祉の市場化による弱者の切り捨てではありません。また、家族や地域の現状を無視して、保育や介護を家庭と地域の中へ押し込めるものでもありません。人の一生の各ライフステージできめ細やかに「一人ひとりの生活が安心で幸せを感じられるような姿とは何か」を追求し、トータルとしての社会コストが最小となる道を探っていきます。

その道は、この10数年来の市場至上主義によって弱体化した日本社会の家族や地域の絆を復権する施策と融合させて、福岡市の現状にあった有効な政策や施策を提起するものです(『絆を大切にした生活保障』)。また、本市がその先進的取り組みをできるよう国や県への政策提言をも行なっています。

<4つの基本的視点>

1.子ども時代『愛と希望の抱ける子育てと教育』

乳児期の人格形成にとって最も重要なことは、愛情に包まれて生育できるような環境(愛着形成のできる保育環境)をつくることです。乳幼児を抱える女性の就労形態がキャリア化する一方、大部分の女性の就労形態が、家業の手伝いから保育と就労の両立できないパート勤務へと変化しています。女性の就労形態変化を踏まえつつ、子ども手当等の生活保障も含めて、子どもに最適な保育ができる社会的条件『愛にはぐくまれた子育て環境』を創っていきます。

すべての子どもに質の高い幼児教育・保育を保障し、幼児期に必要な全人格形成を社会全体で行う必要があります。国の幼保一元化を含む「子ども・子育て新システム」(「新こども園」)にもとづき地方自治体としてもその政策・施策の具体化を率先しておこなうことが必要です。

一方で家族関係が崩壊するなかで、密室の壁のなかで絶対的な暴力等の虐待にさらされる子どもたちが増加しかつ重症化(死亡事件の多発化)しています。行政だけでなく地域全体が密室での残虐な行為に敏感になり、行政は踏み込む勇気をもつべきです。

子どもたちの教育は、子どもたちに未来をきりひらくものです。ひとり一人の子どもたちが、誰一人落ちこぼれることなく自分の手でそれぞれの希望が描ける教育環境をつくっていきます。

【具体的施策】

17.保育所の待機児童解消は、身近な施設整備とともに、一時預かり保育や育児休暇の促進優遇策等多様な手法を駆使して待機児童の解消に努めます。
18.児童虐待防止を担う専門職員(児童福祉士、保健師等)を増強しまた地域と連携し早期に踏み込んで対応し、受け入れ施設を充実します。
19.学齢期の不登校ひきこもり対策は最重要課題と位置づけ、子どもと向き合う環境を整備するため、35人以下の少人数学級を小学校4年生までから6年生までに拡大することに努めます
20.こども病院がアイランドシテイへ移転することに伴う保護者などの不安を解消するため西部地区の小児2次医療体制の早期の整備を行います。
21.義務教育期間に良好な就学環境を提供し、教育効果の向上を図るため、全市の市立小・中学校の全室にクーラーを設置します。また、全市の小・中学校に設置されているトイレを4年間かけて、洋式トイレの増設を中心に順次改修していきます。【重点】
22.放課後等の遊び場づくり事業を早急に全校での実施を推進します。
23.子宮頸がんを予防するワクチン接種の公費助成及び受診率向上対策の充実を推進します。

2.高齢期『家族と地域と施設の連携による安心とやすらぎの高齢化社会』

福岡市の特別養護老人ホームの待機者は7,000人を超えています。その「地方自治体の高齢者施設の総量規制」がこの6月の閣議決定で平成2012年度から撤廃されることになり、2012年度から始まる第五期介護保険事業計画により、自治体の財政力と本気度次第では施設整備を一気に進めることも可能となりました。しかし、お年寄りひとり一人の暮らしや生活に着目したとき、お年寄りやその家族は、「ぼけても今までの関係を保ちつつ、できる限り住み慣れた自宅や地域で暮らしたい」と願うのです。

従来の制度や施設を単純に拡充し財源を求めるだけでは、財政的にもたないだけでなく、家庭や地域から切り離された本人や家族にとっても幸せとはいえません。本来ある家庭や地域の支え合いの絆を支援しながら、家族関係や症状に応じたきめ細かな施策が必要です。そのためには、現状の入所状況や待機者の状況を的確に把握分析して適切な施策の方向を定め、先進的に『家族と地域と施設の総合バランスのとれた介護施策』を実施する必要があります。

【具体的施策】

24.日頃から健康診断等を受診し、健康増進に積極的に取り組む高齢者に対して、健康保険料の一部に相当する金額を還付する「元気高齢者支援金」制度を新たに創設します。【重点】
25.高齢者実態調査で特別養護老人ホームの待機者やクループホーム、在宅の要介護者状況を的確に把握・分析し、特別養護老人ホームやグループホーム、在宅介護支援の小規模多機能施設、宅老所ついて現実に即した適切な整備を行います。
26.在宅の要介護高齢者世帯に対する支援策として、その状況や症状に応じて適切な公的支援を行います。

3.活動期『若者、女性、高齢者・障がい者が生きがいを抱ける雇用環境』

人の幸せは、元気で働けて、日常の生活に不自由しない程度の収入を得られ、自分の身近な周囲で居場所があることです。社会保障の充実が雇用の創出を通じ、同時に成長をもたらすことが可能です。財政の機能を通じて、社会保障の安定的な供給を確保し,市民に安心を約束することにより、持続的な成長を導くものです。
そのためには、若年期の非正規や派遣社員等の『不安定な雇用環境の改善』、女性が『結婚し母になってもそのキャリアを継続して活かせる職場環境』、そして高齢者・障がい者の健康と生きがいを保証する『元気で働き続けられる雇用の場』の創出が必要です。

【具体的施策】

27.新卒条件緩和企業、育児休暇取得優良企業、高齢者雇用促進企業の入札参加の総合評価のポイントの割合をインセンティブが働く程度に高めます
28.障がい者の就労支援とともに就労率達成企業の社会的認知の促進に努め、ときめきプロジェクト(集客力のある公共や民間の場所を開放)を通じて障がい者施設商品の販売を積極的に推進し,障がい者の製品が身近にあふれる「ときめきシティ」づくりを進めます。

4.日常生活『高齢者や障がい者ひとり一人にやさしいまちの仕組み』

また、生活保障としてトータルな人間の生活を考えたとき、日常生活の利便性やまちづくりの視点を欠かすことができません。子どもや高齢者や障がい者にやさしいまちの仕組みというのは、健康なおとなにとっても優しい街です。通学路の安全点検や高齢者の歩道のバリアフリーだけでなく、交通手段や買い物手段など、まちの仕組み全体で『高齢者や障がい者ひとり一人にやさしい町の仕組み』を創っていきます。

【具体的施策】

29.子どもや高齢者や障がい者等、誰もが安心して街に飛び出し歩ける街をつくります。そのために、通学路の安全整備、歩道のバリアフリー化、電線の地中化、自転車道と歩道の分離など身近な公共事業を最優先で整備します。
30.生活交通条例の趣旨に基づき地域、交通事業者、市の協同で、高齢化の進む交通不便地での乗合タクシーやコミュニティバスなどの導入をめざして社会実験を行い、社会実験の実証結果に基づき、受け入れ態勢の整った地域から順次、コミュニティ生活交通を導入していきます。
31.地域の台所として、「御用聞き」や「出前市場」のできる商店街の復活と再生をめざします。商店街と市、地域団体、NPOなどの共同・協力で、一人ひとりと対面する「御用聞き」ができるように、注文、集荷、宅配の仕組みを検討していきます。また、地域の商店街が主体となって、高齢化の進む団地や住宅街に出張販売する「出前市場」を開設できる仕組みづくりを考えます。

成長戦略
〜成長プラットホームシティ・福岡〜

<戦略の趣旨>

1990年代初めには世界のトップクラスだった日本の国際競争力や1人あたりの国内総生産(GDP)は、20年近く経った今ではともに20位台に低迷しています。一方、中国は2010年には日本を抜き世界第2の経済になるなど、アジア諸国の経済はこの間に活性化し、世界の成長中心に躍り出ました。その成長を取り入れる企業活動がすでに世界中で積極的に展開されています。

板付遺跡や金印などが象徴しているように、福岡は古来より、日本の新しい経済形成に大きな役割を果たしてきました。宋人百堂や大唐街など大陸からの人が住まい、文化・経済の先進地として、うどんや稲作などを福岡から、その後日本全土に広めていった歴史は、まさにアジアを通して日本を成長させる福岡の経済的役割を表すものです。

1980年代から90年代、福岡市はいち早くアジア文化政策に着手し、アジア文化賞、アジア美術館、アジアフォーカス映画祭、アジアマンスなど、アジアをリードする形で展開してきました。福岡市が持つ近現代のアジア文化蓄積は、世界レベルで評価されるものとなっています。

福岡市は、2011春の九州新幹線開業を加え、福岡空港や博多港が近接した九州内での移動中心としてのポテンシャルは一段と高まります。すでに国内では有数の「ヒト・モノ」の移動の結節点となっている福岡市は、さらに「金・情報」の結節機能を高め、持続可能な成長戦略を推進する必要があります。

総合的に人の交流を増やすビジターズ・インダストリーや、アジアの社会問題解決を企業活動として支援するソーシャルビジネスを振興し、世界で評価されるアジア人材を生み出しながら、次々に新しい"しごと"を生み出す都市として、「ヒト・モノ・金・情報」すべてのプラットホームとしての地位を確立し、世界の中での九州・アジアの「成長プラットホームシティ・福岡」を目指します。

<4つの都市像>

1.幅広い人の往来をうながす「ビジターズ・インダストリー都市」

港を通しての人(ビジター)の来訪で、都市的繁栄を維持し続けてきた福岡市は、日本で最も歴史のある港都市(みなとまち)です。また、20年以上地道に積み上げてきたアジア文化事業は、私たちアジアの文化アイデンティティを、誇りを喚起するする果実として、アジアからのビジターのみならず、アジアに関心がある世界の人々にとっても魅力がある観光資源となっています。加えて、いま、ヨーロッパが切りひらいた近代文明による今日の世界的閉塞状況に対して、アジア的文化土壌の中から、新たな時代を切りひらく「考え、もの、仕組」などが生まれてくることが期待されています。この未来からの期待に応え、来訪者の関心にこたえるコンベンションを定期的に開くなど、「21世紀の知」のホットスポットとして、世界からのビジターを集めることを目指します。

【具体的施策】

32.大濠公園、舞鶴公園整備と一体で、福岡のアジアに向けた接客空間として鴻臚館を復元し、ビジターに「歴史あるもてなし港都市(まち)」の都市性を明確に示します。
33.「アジア・フォーカス映画祭」の集客力を強化し、同時に「アジア映画フェア(見本市)」を開催し、映像関連産業に振興を図ります。さらに、蓄積のあるアジア近現代文化関連のメディア産業(出版、放送、プロダクション)を育てます。
34.「アスペン・アイデア・フェスティバル」のような文化・学術の世界規模でのコンベンションをおこない、「ライブ産業(新しい評価の定まらない産業)」を振興します。

2.新しい仕事を生み出し続ける「新産業発芽・苗床都市」

閉塞する世界ビジネス環境の中、都市が成長を維持し続けるためには、新しい仕事が他の土地よりも生まれ出やすい都市のセッティング(インフラ+制度+自然歴史環境)を不断に改善し続けることが必要です。地域主権提唱で地域の個性的な政策を求めている新政権。これからの福岡にふさわしい仕事の分野に絞って、基礎的活動コスト低減のためのセッティング改善がもとめられます。

さらに、働く人の8割が中小企業。ほかの企業が持たない優れた製品・サービスを的確にユーザーに届けるための、細やかなマーケッティング支援プログラムを先行してつくりだした都市の企業が特定の分野の市場を制覇することができるICT時代に入っています。さらに、新政権が進める「総合特区」プログラム。福岡市ならではの産業振興を特定の地域に絞って、特別のセッティングを準備することを通して、新しい仕事が生まれ続ける「新産業発芽・苗床都市」づくりにチャレンジします。

【具体的施策】

35.福岡市に本拠を置く中小企業が若年者(卒後3年以内)を雇用した際に、その給与の1割程度を2年間の期限付きで助成する「若年新規雇用拡大助成金」制度を新たに創設します。【重点】
36.福岡市における税も含めた、公共交通、水、エネルギーなどの基礎的コストを、企業対象を絞り政策的に助成し、企業活動の低コスト化を実現し、立地競争力を高めます。
37.起業したばかりの企業や、中小・零細企業の優れた製品を、よろこんで購入して頂ける顧客ターゲットを明確にするマーケティング・データ完備によるビジネス支援事業をおこないます。
38.アジアビジネス支援企業、世界からアジア市場を狙う企業、さらに、世界からの人が住める「総合特区」づくりをおこないます。

3.アジアの課題解決を行う「ソーシャルビジネス都市」

福岡市が苦労し先行してつくった節水型都市システム、福岡大学花島教授が開発した簡便なゴミ処理システムなど、発展するアジア地域で社会改善のためになる技術を福岡市は持っています。また、公共だけで取り組むことに限界がある少子高齢化や温暖化対策などに挑戦する「ソーシャルビジネス」の成長が社会的に期待されています。さらに、九州大学はソーシャルビジネス提唱者であり、その実践によりノーバル平和賞を獲得し、バングラディッシュでグラミングループを率いるユヌス氏と提携し、ソーシャルビジネス支援の研究開発に取り組み始めています。

【具体的施策】

39.生活保護受給者の社会復帰を促進するために、市が率先してボランティアへの参加を促すとともに、ボランティアやNPO、事業者と連携しながらフォローする「生活保護・社会復帰プログラム」を新たに実施します。【重点】
40.福岡市が誇る水、ゴミなどの公共技術を輸出するためのコンソーシアム(官民共同による事業執行組織)を市誘導でつくり、大規模な公共技術を全体として輸出できる企業を育成します。
41.コミュニティ・ビジネス振興をソーシャルビジネス企業育成へと拡大させ、税の優遇、規制を越えて達成することに対する優遇措置、公的共同物流施設の設立など、介護、福祉、環境などの分野に特化した、支援プログラムを充実させます。
42.グラミングループ、九州大学と共同で、「アジア社会事業研究所」の設立し、ソーシャル・ベンチャーを育て、世界の新しい社会事業を支援していきます。

4.アジアスタンダードを確立する「人材育成都市」

経済成長の原動力は人材です。ICT時代の今日、アジアに特化しつつも、世界で活躍できるコミュニケーション能力を若いうちから養うことが基礎的な人材育成の要件となっています。また、世界からの人の交流を進める福岡市は、文化理解、また、急速に進展する社会変革などに対応するための成人教育の場が一段と必要とされてきています。加えて、グローバル化する経済の中で、付加価値の高い生産力をつくり出すためには、戦略的に意識して、人材のスカウトが必要となります。

【具体的施策】

43.小中高校での外国語、特に、英語での完全授業校の導入や、アジア語の特別教育プログラムを導入します。
44.外国人が日本文化やアジア文化を学び文化理解を深めることができ、一般成人が先端技術や学問や起業ノウハウを学べ、再学習の入り口となる「コミュニティ・カレッジ」を設立します。
45.アジアの近現代の文化研究では世界一を目指すなど、福岡にふさわしい世界水準の高等教育研究機関を市主導で設立し、特定分野で指導力のある、即ち、人材吸引力のある人材の福岡在住ポストを確保します。